「収入の9割はマネースクリプトで決まる」と聞いて、ドキッとした人も多いのではないでしょうか。
メンタリストDaiGoさんの著書『マネースクリプト』は、私たちが無意識に持っている「お金に関する思い込み=マネースクリプト」が、どのように人生や収入、幸福度に影響するのかを解説しています。
この本を読むことで、知らず知らずに自分の行動を縛っている「お金の悪い思い込み」に気づき、より良い選択ができるようになります。
私たちは気づかないうちに、「お金は汚いもの」「貯金こそが正しい」「自分は稼げない」といった信念に縛られています。
この歪んだ信念は私たちの選択肢を狭めてしまっていることがあります。
本書では、それらの思い込みに気づき、書き換え、自分の収入や人生を変える方法が紹介されています。
無駄遣いや浪費がやめられない人、自己投資と散財の境界があいまいな人、収入を増やしたいと考えている人にとって、非常に実践的かつ納得感のある内容になっています。
① 書籍『収入の9割はマネー スクリプトで決まる』の基本情報

- 書名:収入の9割はマネー スクリプトで決まる
- 著者:メンタリスト DaiGo
- テーマ:お金に関する思い込み(マネー スクリプト)と行動経済学的アプローチによる改善法
『収入の9割はマネースクリプトで決まる』は、メンタリストDaiGoさんによる著作です。
心理学と行動経済学に基づいて、人がお金に対してどのような無意識の反応をしてしまうのかを体系的に解説してくれています。
マネースクリプトという概念を通じて、自分のお金の使い方や稼ぎ方を見直すヒントを与えてくれます。
② どんな人におすすめか?
- 「お金がなかなか貯まらない」「気づいたら散財している」方
- 「自己投資は大事」と信じてお金を使ってしまう方
- 副業・投資・起業を考えているが、何から始めればいいか迷っている方
- 人に頼るのが苦手で、何でも自分でやろうとしてしまう方
- 「自分はお金を持つに値しない」とどこかで思っている方
この本は、お金に対する思考と行動のズレを修正し、「金持ち体質」の思考回路をインストールしたいすべての人におすすめです。
また、副業や投資、起業に関心があるけれど一歩を踏み出せない人にもおすすめです。
自分に自信がない、お金を稼ぐことに罪悪感がある、人に頼るのが苦手といった性格傾向がある人は、無意識のうちに「お金を遠ざける行動」をしてしまっている可能性があります。
本書では、そうした深層心理を丁寧に紐解き、「自分がお金に対してどう向き合ってきたのか」を見つめ直すことができます。
単なる節約術やお金のハウツーではなく、自分自身の“お金観”を内省することに意味がある内容です。
③ 『収入の9割はマネースクリプトで決まる』はどんな内容

◆ マネースクリプトとは?
マネースクリプトとは、幼少期から育ってきた環境や経験を通じて、私たちの中に無意識に刷り込まれた「お金に関する思い込み」のことを指します。
たとえば「お金は使わない方がいい」「贅沢は悪だ」「お金を持つと人が変わる」といった信念は、親や社会の影響で知らず知らずに身についているものです。
このスクリプトが、自分でも気づかないうちに収入の限界を決めたり、貯金ができなかったりする原因になっていると、本書は指摘します。
マネースクリプトには「支配型」「回避型」「崇拝型」「浪費型」などのパターンがあると述べ、それぞれの特徴と対処法をわかりやすく紹介しています。
◆マネースクリプトの4つの分類
- 金銭忌避:お金は汚いもの。人間は質素に暮らすべき。お金に近づくのは良くない。
- 金銭崇拝:お金があれば自由になれる、お金があれば幸せになれる。
- 金銭地位:お金こそが人間の価値を表す。お金を持っている人が偉い。
- 金銭警戒:お金を使うのが怖い。お金はなるべく貯めるべきもの。
◆金持ち体質の土台を作る方法
- 貯金は大切。万が一のために備える。堅実な投資も行い、コツコツ増やす。
- 節約は自己投資よりも重要。お金を稼ぐよりも、無駄を減らす方が効果的。
- 自己投資にも注意が必要。「回収できない自己投資」は考え直すべき。
クロキ自己投資よりも節約の方が大事というのは研究で明らかになっているそうです。
◆無駄遣いを引き起こす心理的トラップ
無駄遣いトラップ1:同調バイアス
周囲の価値観に流されてお金を使ってしまう。
例えば:
ランチで同僚が2,500円使っていると、1,500円のランチが「安く」感じてしまう。
しかし、実際のランチ1,500円でも高いはず。
対策:
支出をする時は、その支出以上の価値を得られるのか、いったん考えるようにしましょう
無駄遣いトラップ2:ハーティング現象
群衆心理により、周囲と同じ行動をしてしまう。
例えば:
本当は賃貸で住めば良いのに、周囲が戸建てを買っているから自分も…と不合理な支出をしてしまうこと。
対策:
他人に流されて不合理なものを買おうとしてないか?
目先の支出以外に、他にネガティブなことにはないか?
いったん立ち止まって考えてみましょう。
④ 『収入の9割はマネースクリプトで決まる』の学び・気づき、実践ポイント


◆金持ち体質になるための実践ポイント
◆困っている人を助ける、が最強の稼ぎ方
・お金を「与える」のではなく、知識・情報・人脈・時間などを分け与える
・お金を稼ぐ手段よりも「誰を助けられるか」を考える
・自己満足的なギブや、自分に悪影響のあるギブは避ける
あたなはお金を得る方法を考えるとき、どんな投資や副業をするかを考えるはずです。
しかし、本当に考えるべきことは、稼ぎ方ではなく困っている人はどこにいて、その人を助けるためには何をすべきかを考えることです。
◆お金を持つにふさわしい自分をつくるマインドセット
- 「私はお金を持つに値する」と思うことが出発点
- 「人生は自分でコントロールできる」という信念を持つ
- 日本人が苦手な「人に頼る力」も重要
- 利益につながるかどうかを判断基準にすること



本書の中で、私が特に印象的に感じたのは「自己投資よりも節約が重要」という指摘です。
多くの人が「自己投資」という名目でお金を使いがちですが、それが本当に将来的なリターンにつながるかどうかを見極めることが大切です。
実際、お金持ちの多くは「稼ぐ」よりも「使わない」ことに長けています。
無意識の無駄遣いを徹底的に排除しているのです。
毎日のランチや日常の買い物など、”小さな支出”にこそ、お金を貯めるヒントが隠されているということですね。
「その支出によって、自分は本当に価値を得ているか?」という問いを習慣化するだけで、浪費を減らせそうですね。
● 無意識のバイアスと向き合う
私たちは「周りが買っているから」「皆がやっているから」という心理に流されがちです。
これを心理学用語で「同調バイアス」「ハーティング現象」と言います。
本書では、こうした心理がいかに無駄な支出を生み出しているかを、身近な例を交えて説明しています。
たとえば、周囲が戸建てを買っているからと自分も焦って住宅購入を決める。
これは典型的な”思考停止の買い物“です。
大切なのは、「それを買ったことで、自分の生活はどう変わるのか?」を先にイメージすること。



冷静に振り返ってみると、自分の支出の多くが”他人軸”だったと気づく方も多いのではないでしょうか。
♦正すべきマネースクリプトの例
誤ったお金の価値観を持っていると、お金持ちになるのは難しくなります。
誤ったマネースクリプトの一例を挙げていますので、もし当てはまるものがあれば、考え方を修正するようにしましょう。
・「お金を貸せば助けてくれる」→貸したお金は返ってこない
・「自分の価値は収入で決まる」→価値は自分で決める
・「ブランドで自分の価値を上げる」→無力感の裏返し
・「副業・起業にはお金が必要」→お金がなくてもできる
・「労働以外で得たお金は自分のものではない」→お金はお金
・「少ないお金で生きるのが正義」→可能性を狭める
・「汗水たらして働くべき」→生産性を意識すべき
・「努力すれば勝てる」→大事なのは「負けないこと」
・「お金は貯めるもので使ってはいけない」→時間や価値を買う
・「お金がかかることはやらない」→やりたいことのために稼ぐ
⑤ 『収入の9割はマネー スクリプトで決まる』読んだ感想・まとめ
お金は「自由を買うための道具」であり、「稼げば幸せになれる」という幻想ではなく、「どう使うか」で幸福度が決まるということも、改めて強く感じました。
『収入の9割はマネースクリプトで決まる』は、単なる節約本でも、お金のテクニック本でもありません。
私たちの心に根付いた「お金との関わり方」を見直し、今後の人生をより豊かにする“考え方の土台”を与えてくれる一冊です。
最後に、本書で紹介されていた「金持ち体質の人の行動習慣」を、私なりに整理するとこうなります。
- お金は大切に扱い、無駄遣いを避ける
- 困っている人に、知識・時間・労力でギブする
- お金は自由を得るためのツールと捉える
- 楽しく主体的に働く
- 自分にはお金を持つ資格があると信じる
- 人生もお金も自分でコントロールできると考える
- 一人で頑張らず、困った時は人に頼る
- 支出は「利益につながるかどうか」で判断する
お金に悩みがある人、何をやっても収入が増えないと感じている人は、まず「自分のマネースクリプト」を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

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